ビルダー級の背中に、パワフルな懸垂力、消防的実践力も兼ね備えた背中のトレーニングとは
消防士でボディビルダーの僕がとっておきの背中トレーニング教えます。
消防士になって懸垂にドはまり、懸垂力を伸ばすためにあらゆる背中トレーニングを試してきました。そんな僕の約10年分のノウハウを紹介します。

消防士の体力試験前は5回くらいしかできなかったな。
ρ(тωт`) …

(´・∀・`)ヘー フツウダネッ
背中の筋肉ってどうなってる?
まず、背中の筋肉がどのように構成されているか見てみましょう。背中だけでもあらゆる筋肉で構成されているのがわかります。

黄色:僧帽筋
濃紺:三角筋後部
青:大菱形筋
オレンジ:大円筋
緑:広背筋
エメラルドグリーン:小円筋
*:脊柱起立筋

難しい名前だなと思ったアナタ!
今は筋肉の名前なんて一切覚える必要はありません。笑
必要に迫られてからで十分です。(-ω-ゞ
背中の筋肉の特徴
筋肉にはそれぞれ役割があります。
ざっくり分けると、上半身の後ろにある背中の筋肉は物を引く筋肉です。
床から物を持ち上げたり、自身の身体を上に引き上げるときに稼働します。
一方、上半身の前面にある胸の筋肉は物を押し出す筋肉です。
ベンチプレスがイメージしやすいですね。
この正反対の動作を行う筋肉を拮抗筋といいます。
トレーニングをやっていれば何れ拮抗筋の作用を生かしたトレーニングも経験すると思いますが、ここでは省略します。
背中のトレーニング決定版!! この2種目は押さえておけ
沢山の筋肉がひしめき合う背中の筋肉ですが、僕のこれまでの経験から言うと、懸垂は身体の幅を作り、デッドリフトでは身体の厚みを得ることができます。
この2種類をやりこめばパワフルな懸垂力と重量感ある背中が完成します。
懸垂
海外ではプルアップやチンアップと言ったりします。
鉄棒さえあればどこでもできるのがメリットで、ロープ登りをする消防士のオーソドックスなトレーニングメニューです。
順手で握る懸垂は、主に大円筋や広背筋に効きます。
このとき、肘が前に入ると、腕に負荷が逃げてしまい、背中への負荷が弱まるので注意が必要です。
この部位を鍛えこむと、腰のあたりから脇にかけて筋肉がせり出し正面から見たときにコブラのような幅のある上半身が作れます。
逆手で握る懸垂は、主に上腕二頭筋に効くといわれていますが、身体を弓のように反り、みぞおちをバーに当てに行くようにやれば、広背筋の内中側にダイレクトに効かせることができます。(ローイングの動作)
この部位を鍛えこむと、横から見たときにボディビルダーのような厚みが作れます。
デッドリフト
床からバーベルを引き上げるトレーニング種目です。
重い資機材や、救助者を搬送する消防隊員には必須と言っていいトレーニング種目ですが、フォームを誤ると再起不能なほど重大な怪我につながるので、正しい知識のある人に教えてもらってください。
懸垂が自分の体重を利用した自重トレーニングなのに対して、デッドリフトは高重量を扱うことができて、極めてくると体重の3倍以上の負荷をかけることもできるようになります。
フォームにより多少の差はありますが、脊柱起立筋や広背筋さらに、僧帽筋に激しい負荷を与えることができるのが特徴です。

これによって、背中の厚みに重量感が加わるんだよ
サイコウヽ(o’∀`o)ノヤーン♪
強化した背中に実践力を加える消防的+α
上記の2種目を正確なフォームで続けていけば、必ず立派な背中が出来上がります。しかし、これだけでは消防の実践としては最適ではない可能性が高いです。

重いものをゆっくり動かしたり、単調な動きを繰り返すような現場はないんですよね。
さらに、消防的+αを説明する前に、頭に入れておいた方がいいことがあります。
背筋力を生かすも殺すも○○次第
前で書きましたが、背中の筋肉は引くことが仕事ですが、それに見合った握力や腕力がないと100%の力を発揮することができません。外見を重視した身体づくりなら問題ありませんが、実践力を得るためには腕力や握力まで鍛えないといけません。

背中だけ鍛えても腕や握力が弱いと本気出せないってことですね。(゚ω゚)ノ ハィ
トレーニング補助の器具は最低限に
トレーニングジムでよく見かけるトレーニングサポート器具ですが、積極的活用はおすすめできません。というのも、実践力を養うためのトレーニングなのに補助器具を使うってことが矛盾しているからです。
普段から実践(現場に補助器具なんかない)に近い形トレーニングを行うことが本当の意味でのトレーニングになります。
しかし、補助器具の使い方次第では、より効率よく身体を鍛えることができるので、興味のあるかたは補助器具との正しい使い方について調べてみるといいでしょう。
僕は最後の最後に使用するように心がけています。

ちなみに、僕は色々と補助器具を持っていますが、スクワット用のリフティングベルト以外はあまり使いません。
懸垂もデッドリフトも素手が一番、ベルトも必要最小限ですよ‼
(`・ω・´)ハイ!
消防的+α(タオル懸垂)
消防=ローブ登り(渡り)というイメージはとても強いですよね。
実践力を鍛えるという意味でこれに勝るものはありません。消防=ローブ登り(渡り)というイメージはとても強いです。
しかし、昇り降りに高さが必要なことと、高所から落下する危険もあるので、プライべーどでは積極的にできないのが現状です。
これの代用策として、タオルを使った懸垂があります。
①バスタオルを2枚用意
②写真のようにネジって太さを出し懸垂する。(前腕までバキバキに効きます。)


握力も十分すぎるほど鍛えられておススメです‼
ワンポイントアドバイス
握るという動作について考えてみましょう。

これは懸垂をやる場合、どこに重点を置いて握るのが良いかを表したイラストです。
背中を鍛えるなら、緑のイラスト方向に力を入れる方がより良い握りだと言えます。

この差はロープ登りをする際に顕著にでますので、興味のある方は是非両方の力の入れ方を試してみて下さいね‼
握り方や体の角度などを変えるだけで上半身を幅広く鍛えられます。
ある程度経験を積んでくると、腕から腹筋まで密接に関わっていることも分かってくると思います。
消防的+α(加重懸垂)
次に、自力の上限を上げるための懸垂の紹介です。

THE自重トレーニングの代表格である懸垂には越えられない壁があります。
ズバリ、それは自分の体重なんです‼( ゚ ω ゚ ) ! !
自重で懸垂をやりこんでいくと20回付近で停滞期(プラトー)を迎える人が多いです。
というのも、筋力は負荷に応じて付くものなので、自分の体重で得られる負荷(体重)の壁は中々超えられないわけです。
そこでおススメなのが加重懸垂です。
錘の下げでオーソドックスなのはディップスベルトですが、画像のようにテープスリングやロープ、鎖などでも代用可能です。
始めは10キロくらいから加重していきますが、どんどん伸びますので焦ることはありません。
僕のベスト加重は体重+61.5kgです。過去の栄光ですが(´;ω;`)

自分の体重付近まで加重できるようになれば片手懸垂も視野にはいってきますよΣd(≧ω≦*) グッ
上半身最強のトレーニングは懸垂で決まり‼
少し長くなってきたので一度まとめておきます。
消防士でボディビルダーである僕が勧める背中のトレーニングは懸垂とデッドリフトで、この2種目をやり込めば身体に幅も厚みもある立派な背中が作れます。
しかし、これに実践力が備わってるかと言われと必ずしもそうではない。
実戦で活かすためには、前腕から背中まで(腹筋含む)連動する全ての筋肉を鍛える必要があるんです。

ラットマシンは背中を重点的に効かせるのには向いているけど、バーを握る時間や腹筋などのインナーマッスルとの連動が少なく実践力に欠けるんだよ~しかも、自分の体重以上に荷重するとバーが下りてこなくなるので加重懸垂の方がおススメだね!
関連書籍
今回書いたこと以外で、基本的なことはこの本も参考になります。

消防王 第2巻 懸垂力・登はん力養成編: 元消防士が教える懸垂連続45回以上できるようになるトレーニング法 (防災王)

消防筋肉 (イカロス・ムック)
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