数年前に母方の祖母が亡くなりました。
全く知りませんでしたが、祖母は軍用地を保有していたみたいで、両親を亡くなくした母は財産相続の時期を迎えています。
兄弟で財産を分ける話し合いがもたれていますが、どうやら母が保有していた軍用地を相続するようです。
ということで、以前から知ってはいたものの、現実味がなく詳しく調べていなかった軍用地投資のよる節税について書いてみたいと思います。
軍用地の節税はタワーマンション節税に似てる。
相続税の評価額の決定方法は土地と建物によって別れています。
土地→相続税路線価
建物→固定資産税評価額
相続税路線価は地価の8割、建物の場合も建築時の6割~7割ほどの価額なので、購入額より3割程度低くなります。
現金を相続する場合、金額そのものに課税されますが、上のように不動産を相続する場合は評価額分だけ課税対象となり、結果として課税標準額が低くなります。

この時点で現金で、
現金で相続するより不動産に変えた方が有利なのが分かりますね。
さらに、相続税対策を考えるうえで押さえておきたいのが次の関係です。
相続税評価額 < 時価
「相続税評価額」と「時価」の差が大きいほど相続税対策として最適な投資先となります。
少し前にブームになったタワーマンションで考えてみましょう。
例えば、分かりやすいように各階1戸のマンションとします。(そんな物件多分ないけど)
①10階建てのマンションの10階の一戸を購入する場合(10戸中の1戸)
②50階建ての超高層マンションの50階一戸を購入する場合で比較してみます。(50戸中の一戸)
※築年数や各フロアの戸数や面積は同条件とします。
②の続税評価額は①の1/5というイメージです。
タワーマンションは上階ほど高価になる傾向がありますし、同じ一戸でも一戸あたりの土地の持ち分が狭いので税金の評価が低くなるわけです。
つまり、現金を相続するよりも、それと同じ額で購入した不動産のほうが税負担が低く、時価と税評価の乖離が大きい不動産ほど節税面で有利ということです。
※タワーマンション節税は過熱しすぎたこともあり現在は規制されています。
「マンション節税」防止 高層階、相続税の評価額上げ ( 2016/1/24 日本経済新聞)
節税効果は抜群
上で書いたことは軍用地にも当てはまります。
土地の相続税評価額は、固定資産税評価額に路線価を掛けて算出する方法が一般的ですが、軍用地の場合は、国税庁が発表している評価倍率表の倍率を掛けて算出します。
沖縄県が公開してる公用地用の評価倍率表では、軍用地の固定資産税は民間地より安く設定されています。(評価倍率表は路線価の定めがない軍用地などの土地を評価するために用いられる。)

それだけではありません‼
軍用地はフェンスに囲われており、自分で土地を利用できないことから、相続税法第23条に基づき40%の減の適応になります。(勝手に土地を使っている人もいますが)
相続税法 第二十三条
地上権(借地借家法(平成三年法律第九十号)に規定する借地権又は民法第二百六十九条の二第一項(地下又は空間を目的とする地上権)の地上権に該当するものを除く。以下同じ。)及び永小作権の価額は、その残存期間に応じ、その目的となつている土地のこれらの権利を取得した時におけるこれらの権利が設定されていない場合の時価に、次に定める割合を乗じて算出した金額による。
残存期間が二十五年を超え三十年以下のもの及び地上権で存続期間の定めのないもの 百分の四十
昨今の軍用地人気により価格が上昇、これにより税金評価との差の乖離が生じているわけです。
相続税評価額 < 時価

お金もちはこのような財テクを積極的に使っているわけですね。(゚ω゚) ハィ
現在の軍用地の異常な価格上昇はこのような節税の目的も大きく関与していることは容易に推察できます。
高齢者の貯蓄の状況はご存知の方も多いはず。(高齢者白書より)
そんな中高齢者の持っているお金はどこに向かうのでしょうか。
子や孫にお金を残したいと思う気持ちは容易に想像できますので、今後も軍用地投資の買い手市場になりそうです。

先日参加した軍用地投資セミナーでも
同様の情報が飛び交っていました。
軍用地節税の未来予想
軍用地の節税効果は十分伝わったと思います。
それを踏まえて、ズバリ私の未来予測としては、今後も軍用地投資人気の高まりから土地不足(投資案件不足)が続き買い手市場が続きそうです。
懸念として、あまりにも軍用地の価格が高騰したりするなど、あからさまな節税対策の逃げ道になれば国は対応策を講じざるを得ません。
残念ながら価格の急な高騰が続いているので個人的には可能性は低くないと思っています。
軍用地は強引に米軍に接収されたという悲しい歴史を持っていますが、ご先祖さまたちが予想もしていなかった形で売買されていると思います。
先日は地主会の総会に参加しましたが、地主の一人が「いまさら返還してほしくない」と個人的な意見を声を大にいました。(^^;)

ちなみに我が家が保有する軍用地がコチラ
中央のあたりですw
幸いにも民有地に隣接している場所なので跡地利用もできそうですが、本当に山の中にある軍用地も山ほどあります。そんなところ今更返されてという意見も分かりますね。。。
永遠に勝ち続ける投資なんて存在しないと心にとめながらも活用できる限り活用していきたいと思います。
関連書籍
以前にも触れたことがありますが、元防衛局職員の仲里圭一氏が書いた軍用地投資本の新著が出ています。
内容は非常に分かりやすくか書かれていますので興味のある方は是非手に取ってみてください。
こんな記事も書いています。

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