一生の大イベントである就職活動、消防士も例外ではありません。
地方公務員である消防職は一度採用されると、その市町村で退職まで働くことになります(出向等を除く)。

沖縄で生まれ育って、高校卒業後に大阪の専門学校を出た僕は
都会の生活に慣れて大阪府内の消防を受験するか、地元沖縄の消防を受験するか本当に迷いました。…(´д≡; )a゙ ドゥシヨゥ…
年齢制限もありますし、ただでさえ採用試験は狭き門なので、何回も試験を受けなおすのはナンセンスです。
始めから広い視野を持って生涯の就職先となる自治体を選択する必要があります。
二大選択 地元か、都市部か
消防は消防組織法で市町村の機関であると定められています。
消防組織法
第三章 地方公共団体の機関
(市町村の消防に関する責任)
第六条 市町村は、当該市町村の区域における消防を十分に果たすべき責任を有する。
(市町村の消防の管理)
第七条 市町村の消防は、条例に従い、市町村長がこれを管理する。
(市町村の消防に要する費用)
第八条 市町村の消防に要する費用は、当該市町村がこれを負担しなければならない。
給料で考えてみる
消防組織法の第八条に注目してください。
「消防に要する費用は、当該市町村が負担する。」
当然ですが、これには給料も含まれています。
つまり、消防士の給料って市町村の財政力次第という訳です。

給料がどれくらいもらえるのかって、就職先を探すうえで大切な判断材料ですよね。
全市町村が縦画面で表示されます。(2013年現在)

日本の市町村が延々とに並んでいるので、その中から該当の市町村を探すのは困難ですよね。
そんな時は「CTRL + F 」で検索ウィンドウを開きましょう。
検索ウインドウに希望の文字を打ち込めば、一瞬で該当箇所を探し当てることができますよ。

下は「沖縄」で検索した場合です。

最新の情報を知りたいかたは総務省のページで確認してみましょう。

あなたの地元はどれくらいにランクインしていましたか?
基本的に、都会ほど給料は高いと言っていいと思います。
日本の消防でいえば、やはり消防力も報酬も東京消防庁がNo1です。
やりがいで考えてみる
消防士の志望動機の中で、地域への貢献・社会貢献などを挙げる人はとても多いです。
言い換えれば、生まれ育った場所への恩返しなんですね。
地方で行われる地域の行事には必ずと言っていいほど消防職員やそのOBが関わっています、地方ほど消防士と地域住民の距離は近いと言っていいでしょう。
自分の生まれ育った地元で消防士になれることは、お金で計り知れない魅力があるといえます。これは都会でも地方でも同じことですね。
地方で生まれ育っても僕のように進学で都会にでる人も多いですよね。僕も進学した大阪で沢山の人にお世話になったこともあり、第二のふるさとだと思っていました。
日本を引っ張っている大都市の消防が持つ力は絶大です。
そんな最先端の消防の一員になれることは、日本人としても消防職員としても誇りになるのではないでしょうか。

所属が東京消防庁というだけで、頭が上がりません。
ネームバリューも絶大です(゚Д゚;)
都市部の消防から地元に
消防士は地方公務員であることを先に説明しました、さらに都会で消防士になってから、地方の消防で働く場合は、特例を除いて採用試験を受けなおす必要があります。
その高いハードルを越えて都会の消防から他の消防へ帰ってくる?職員も意外と多いです。

僕の知ってるだけでも東京消防庁や政令指定都市、その他の中核都市の消防をやめて入ってきた消防職員は結構います。
地方と都市部の消防が抱えるジレンマ
消防に採用されたら消防学校で初任教育を受ける必要があります。その場合、当然お金(経費)が必要になってきます。
消防学校で学生になるわけですが、消防士には代わりないので給料は発生します。
消防職員を採用した市町村は、給料を払いながら、初任教育(6ヵ月)学校に派遣して、さらに一人当たり約30万円をかける必要があるわけです。

上の例は福岡県の場合ですが、どこの学校も同じような水準です。
この初任教育は新人教育のための研修とされており、一度初任教育を受けた消防士が他の消防に採用された場合は初任教育は受けなくてもよいと解釈されています。
採用する側の考え方として、
現任の消防士を採用することができれば、時間もお金もかけずに即戦力として働かせることができるのでメリット絶大です。

新人ではない消防職員を「現任」と言います。
地方の消防が、新人より現任を採用したくなる気持ちが
分かりますよね。
逆に、採用した市町村は時間とお金をかけて養成した新人が初任教育を受けた後に退職されたら困ってしまいます。
このような人材の流れは一つの課題として取り上げられてはいますが
地方と都市部の消防職員採用試験の倍率に差があるのでこのような戦略が使われているのも事実です。
採用の多い消防(大きい消防)は採用試験の倍率が低い傾向にあります。それでも20倍くらいですが。。。

アベノミクスで景気の良くなった現在はさほど感じないかもしれませんが、不景気になると公務員の人気は一気に高まります。

僕の採用試験はリーマンショックの翌年だったこともあり、
倍率50倍くらいの狭き門でした。。。
関連書籍
事前の下調べにおススメの雑誌を紹介します。気になる本があればチェックしてみて下さい。

消防官になる本(2019-2020) 消防官への道を完全収録 (イカロスMOOK)

消防官になるための徹底ガイド 改訂版 身近なファイターたちの「仕事・学び・生活」 [ 木精舎編輯所 ]

2020年度版 消防官になるための早わかりブック (『早わかりブック』シリーズ) [ 資格試験研究会 ]

消防士になる人が読む本〜採用試験・学校生活・体力錬成の気になる全部詰め込みました〜: 消防王完全版 (防災王)
まとめ
地元と都市部の消防ってどちらも魅力があり本当に迷うところだと思います。
自分の一生を左右する選択につながるので、あらゆる視点から検討して後悔のないようにしてほしいと思います。
僕は沖縄県内の小さい消防に勤めていますが、やりがいもあってとても満足しています。仮に、第二のふるさとである大阪府内の消防に就職したとしても同じように満足していたのかなと思います。

住めば都なんですね。

ちょっと、例えが悪いけど言いたいことはわかります(*´・д・)
最後に、日本が誇る東京消防庁の消防出初式の動画張ります。
かっこよすぎです、圧巻の一言ですね。
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