政府の進める働き方改革によって、副業に興味を持っている人が増えてきています。
現役消防士である僕は、消防団が究極の副業先だと思っていて、自分が消防職員でなくなったなら(一般市民になったら)本業に消防団員という副業を追加したいと思っています。
その前に、消防団ってなに??
そんな疑問に対する答えと、僕が消防団で副業を勧めるる理由を説明します。
消防団とは?
消防団とは
消防団とは、消防組織法に基づいて各市町村に設置される消防機関である。
Wikipedia
消防団員は本業を別に持つ一般市民で構成されており、自治体から装備及び報酬が支給される。市町村における非常勤地方公務員である。
Wikipediaの説明は少し難しいですが、消防団とは、消防署と同様に市町村が設置した消防機関です。

組織図をみてみましょう。
消防本部と消防団は同じ位置づけなので、
どっちが偉いとかはありません。
消防団の幹部は社会的に地位が高く、それの影響もあってか地方議員などの要職についている人が多いです。

消防団員は、平時はそれぞれの仕事(サラリーマン・自営業等)をしていますが、災害等の際には消防団員としてその対応に当たります。
主な仕事内容は次のとおりです。
- 火災等の災害対応
- 予防啓発活動(住宅用火災警報器の設置推進など)
- 災害対応訓練
- 保有資器材の点検整備
- 応急手当の普及啓発活動(救命講習など)
- 消防団操法大会

消防士と同じことするの?

消防団員も消防職員も同じ消防機関です。
違いは、常時勤務しているかどうかで、
消防団員は、災害などがあると活躍する感じです。
訓練頻度はどれくらい?
災害時に消防団が活躍しているのはイメージしやすいと思いますが、災害現場で活動をするには必ず訓練が必要です。
消防団の活動内容は全国的にほぼ統一されていますが、訓練時間や頻度などは各自治体によって全く違うと言っていいです。
参考までに、うちの自治体は一年を通して月3回の訓練があります。時間帯は午後7時頃~9時です。

夜の訓練…o(´^`)o ウー
本業があるなら納得ね。
その他に、消防団操法大会が近くなると、一時的ではありますが訓練回数が増加します。
消防団操法大会は熱戦が繰り広げられる
消防団操法大会の目的
総務省消防庁HP
消防団員の消防技術の向上と士気の高揚を図るとともに、消防活動の充実発展に寄与することを目的とし、日頃の訓練により培った消防操法技術を競い合う大会

順当に勝ち進めば
地区大会→県大会→全国大会
と進みます。全国大会の熱気はスゴイですよ‼
Σd(≧ω≦*) グッ
イメージしやすいように動画を張っておきます。
訓練期間では動画のような動作を繰り返し行うので結構な運動量です。
消防団員の中でも、体力に自信がある若い世代がメインと言っていいかもしれません。
機能別消防団員・分団制度
操法大会の動画を見て気が引けた方もいると思いますが、全く心配ありません。
現在では、年齢や性別などそれぞれの能力に合わせた制度が始まっています。

消火活動を行う体力はない…
親の介護があって夜の訓練にも参加できないわ…
元看護師なので、救急関係のお手伝いはしたい。

週末はアルバイトがあって行けない、
そんなワシでも出来ることがあるかな?

朗報です‼
そんなアナタ向けの制度が始まっているんです。
実際の経験談としても、消防団入団推進活動の一環で一般市民や企業などに対して消防団員募集のPRしたこともありましたが、「体力がついていけるか心配」という理由で二の足を踏んでいる人は結構いました。
そんな個人の事情に配慮したのが機能別消防団員・分団制度です。
機能別団員制度
入団時に決めた特定の活動・役割及び大規模災害対応等に参加する制度である。総務省消防庁
機能別分団制度
特定の役割、活動を実施する分団・部を設置し、所属団員は当該活動及び大規模災害対応等を実施する制度である。


政府が消防団員を増やしたい理由
全国の消防団員数は右肩下がりの状態が続いていますが、現在でも消防職員数の5倍数いて消防機関として地域防災を支えています。

単純に消防団員が減少傾向にあるから、それを防ぐために消防団員を増やそうとしてるのではありません。
日本列島は諸外国に比べ災害の多い国です。最近では、数十年に一度の災害が頻発していて災害対策が急務になっています。
大災害が発災したら消防はどうなる?
現在日本政府が警戒している大きな地震災害想定がこちらです。

これらの災害が起これば甚大な被害は免れませんので、政府としても災害は必ずくると思って対策しています。その一つが消防団員の増員と言えます。
平成の大災害といえば、阪神淡路大震災、東日本大震災があります。そんな大災害が発生したらとき、消防署はどうなったと思いますか?被災地の消防機関は十分に機能したのでしょうか?
過去の資料が語っているように、大災害が発生したら常備消防機関も同様に被災しますので、十分な活動は期待できません。
そこで重要な役割を担うのが、地域住民主体の消防団員なのです。
大災害が発生したら、常備の消防機関(消防職員)と非常備の消防機関(消防団員)が協力して災害対応にあたることになります。

自助、共助、公助の大原則
災害時に対応は、自助、共助、公助の上に成り立っています。

自助:自分の命は自分で守る。
共助:家族、近所、地域はお互いに助け合う。
公助:公的機関からの災害支援活動をうける。
実はこの3つ全てを網羅できているのが消防団員の特性と言えます。

消防団員さんも、消防職員と同じように
消防学校で教育を受けることができるんだよ。

ホゥホゥ(o-∀-))
企業側にも働きかける政府

副業として消防団に加入するのはいいけど、
実際仕事を休むの無理じゃない?
消防団協力事業所表示制度 とは事業所の消防団活動への協力が社会貢献として広く認められると同時に、事業所の協力を通じて、地域防災体制がより一層充実されることを目的とした制度です。
総務省消防庁

協力事業所に対して様々な自治体が、消防団協力事業所に対して、税制や入札において特例措置を設けています。
お住いの自治体がどのような取り組みを行っているのか調べてみましょう。

国の後押しがあるので、今後さらに拡大していくと思われます。
やっぱり気になるお金のこと
消防団は、市町村が設置した機関に所属するので、非常勤地方公務員として自治体から装備や報酬が支給されます。
自治体の財政力で報酬の額はバラつきがあるのが現状ですが、消防団員は市民の副業先として政府が後押ししています。

ボランティア色が強いかもしれませんが
しっかり報酬もありますし、退職金もあるんですよ‼
さらに、その額は増加傾向にあります。
政府はこれまで、あらゆる通知通達を自治体に発出してきましたが、東日本大震災を経て平成25年に「消防団等充実強化法」を制定しました。
その後に、総務大臣書簡が二度も発出されており政府の本気度が表れていますよね。
直近の発出書簡はこちら→消防団員の確保に向けた取組について
消防団員の確保に向けた取り組みについて
(一部抜粋)
最後に、消防団員が活動を継続しやすいよう、その活動環境を整備することが必要です。
総務大臣書簡(平成30年1月)
貴職におかれましては、消防団員の年額報酬や出動手当の改善、消防団の装備の集中的・計画的な配備をお願い申し上げます。
私としましては、今後、こうした消防団員の確保と消防団員の活動環境の整備に向けた取組が全国で広く行われるよう、支援施策の充実に更に努力してまいります。

書簡の最後を分かりやすく説明すると、
「市町村の消防団担当者は、報酬や各種手当の引上げ、資機材や団員をしっかり計画的に配備しなさい。国は全力でバックアップします。」
と宣言しているんですね。
報酬・手当
気になる報酬はズバリ○○円‼
と言い切りたいところですが、所属する市町村の財政事情で左右されるので気になる方は確認してみるといいでしょう。

「 ○○(市町村名) 消防団 報酬 」
で検索すれば条例が出てきますよ(゚v`d)ー♪
退職金
報酬や手当と違って退職金はある程度の目安があります。

保障・共済(福祉事業)
消防団員は非常勤の地方公務員という身分なので、公務災害保障(消防団に関するケガなどに対する補償)が適応されます。
当然その手続きは市町村の担当者が行いますので煩わしさはありません。(消防団員等公務災害補償等共済基金加入の場合は指定法人が行う。)
福祉事業の内容は、外科後処置、補装具、リハビリテーション、療養生活の援護、介護の援護、就学の援護等となっています。

意外としっかりしてるね‼
GOOD☆( ゚Д゚)b
おまけ
実は公務外でも適応される項目もあります。これは嬉しいですよね。

気になる方はこちらのページをご覧ください。
まとめ
知名度はあるけど、意外と知られていない消防団員について分かりやすくまとめてみました。
消防団は、がっちり儲かるとは言えないものの、それなりの報酬もあり、社会的意義の高い仕事だというのは間違いありません。
自身や家族を守るための知識・技術も得られることに加え、適材適所の役割もあります。
副業として国の後押しを受けていますので今後さらなる待遇の改善にも期待しつつ、
自分のため、家族のため、地域のために副業の一つの選択肢として消防団を検討してみてはいかがでしょうか。
その他の詳細は総務省消防庁の消防団オフィシャルサイト を参考にしてみて下さい。
福岡市の消防団員募集の動画も分かりやすくておすすめですよ。

これ見るでけでいいやんw

そんな~
ρ(тωт`) イジイジ…
コメント
消防団は報酬なんて出ませんよ!以前、ヤフーニュースでも消防団が搾取して団員に支給されていないとニュースになりました。
まれに出るところはあるかも知りませんが、殆どの消防団が超絶ブラックです。入団する前にしっかり確認して書面でも確認して下さい。
労働基準法も働き方改革も通じない世界です。
うちの消防団は報酬が個別に通帳に振り込まれても経理係が全員分の通帳を管理していて、引き出して飲み代に回されます。
報酬は団員には出ません!報酬はお酒です。
仕事で疲れて飲みたくないのに体育会系の上下関係で上の人が帰るまで帰れません!
年末年始も巡回、出初式など盛りだくさん。季節ごとのイベントの警備に出ずっぱり。
飲んでばっかり!
慰安旅行も自腹で10万うちは持っていきます。
土日も拘束される事が多く、プライベートの時間、家族との時間などが減り奥様からもあなたに不満が高まります!離婚の事案もあります。
消防団員は安価な労働力として都合よく使われる存在。
生半可な気持ちで入団すると人生台無しですよ。
消防団のホームページがハッキングされたニュースを見て不満が溜まってる人がやったのだろうなと消防団員同士で話してます。
以前、東京で無理やり勧誘された消防団員が放火魔になったというニュースも昔ありました。検索してみてください。
消防団員の強引な勧誘が多いので気をつけましょう。
検索サイトで 【消防団 闇】 で検索して現実を知りましょう。
消防署勤務の方はいいですよね。給料も労働基準法でも守られてますし。
消防団員は実質ボランティアでも、準公務員扱いだし責任もあります。
職務中に殉職した場合、怪我して本業に支障が出た場合などの保障などもしっかりと
書面で確認しましょう。
放水などはかなり危険が伴いますよ。
操法大会など放水を競う大会などもあります。大会前は平日夜、土日を潰して練習します。
消防団員が放水することは実際あまりありません。
大会のための、練習です。必要なの???
元消防団から〜
コメントありがとうございます、率直な感想として非常に残念な消防団だと感じました。
「報酬は消防団にはでません!」「書面で確認しましょう。」と書かれてますので、コメントを下さった元消防団員さんの組織は、組織の運用として、やっている可能性も感じました。
せっかくコメントをもらいましたので、こちらでもその組織の運用についても精査してみたいと思います。ありがとうございました。